兵庫県西宮市にあるフルノライフベスト株式会社様は、古野電気株式会社様のグループ企業として1974年に有限会社フルノ保険代理店として設立されました。現在は、古野電気グループの業務請負事業、不動産賃貸事業、保険代理業、印刷事業の４つの事業を行っています。

　古野電気株式会社様は、1948年に世界で初めて魚群探知機の実用化に成功して以来、さまざまな船舶用電子機器を生み出している船舶用電子機器総合メーカーです。舶用機器で培った技術を活かしてカーナビゲーション用GPS受信機や、デジタル放送設備向けのGPS応用製品、ETC車載器などのITS機器まで製品開発を広げています。さらには、独自の超音波技術、電波技術などを用いて骨密度測定装置や、血液分析装置などの医療機器の開発と、Wi-Fiを用いた教育支援システムへと事業領域を拡大しています。
　フルノライフベスト株式会社様が手掛ける印刷事業が本格化したのは、古野電気株式会社様の製品マニュアルや、図面印刷などに対応するために1995年にモノクロオンデマンド印刷機を導入したことが始まりです。当初は、卓上紙折機と無線綴じ機で対応していました。その後、製品マニュアル類の内製化拡大にあわせてオンデマンド印刷機の更新や増設と、後加工機の導入を行いました。
現在は、カラー・モノクロオンデマンド印刷機、大判モノクロ印刷機、大判インクジェットプリンター、ラベルプリンター等の出力装置と、折機、中綴じ機、無線綴じ機、断裁機など一連のホリゾン製品を運用されています。製品マニュアル類は、当初よりオンデマンド印刷による内製化を進め在庫レスを実現しています。
　2019年からは、製品カタログや、社内報などの高い品質が求められるカラー印刷への本格的な取り組みを始め、カタログ在庫15万部を、現在7万部に半減させています。引き続き、海外向けカタログに於いてもオンデマンド対応を計っていく予定です。製品カタログは、日・英語版を含めると400種類を超えるため、これらにより在庫管理に要する時間やスペース削減の相乗効果も図っています。

　「受注される印刷物の特長を津田社長に伺いました。
　「新造船に於いては、通信機器、航海機器、音響機器等で一隻に20機種以上の製品が装備されます。新造船が引き渡されるまでに納入仕様書、工事図面、完成図書、取扱説明書、試験成績表などの書類を機器とともに納品する必要があるわけです。当社の印刷物は多品種小ロットが中心になります。」
　20種類の製品に関連する書類を１セットとして各3～5部程度用意する必要があるため、納品する書類をすべてあわせるとダンボール三箱にもなるそうです。