導入事例


有限会社朋栄ロジスティック

  • 導入製品
    ・紙折機 AFC-566FKT・パイル式プレススタッカー PSX-56
    ・自動無線綴機 BQ-270V・油圧断裁機 APC-480・紙揃機 PJ-110
    ・製本ワークフローシステム pXnet ・トラッキングシステム

出版社のあらゆる業務をサポート

 埼玉県草加市にある有限会社朋栄ロジスティック様は、「出版社のトータルアシスタントとしての流通倉庫」をモットーに、県内2か所の営業所と3つの倉庫で出版流通サービス、デジタルオンデマンド印刷サービスを提供されています。サービスの起ち上げから現在、将来展望について鴫原代表取締役にお話をうかがいました。

出版社のビジネスを全面サポート

  埼玉県は、出版社や印刷工場からのアクセスが良いため、多くの出版流通倉庫が存在しています。有限会社朋栄ロジスティック様が、埼玉県草加市で出版社の書籍の在庫管理、出荷、返品対応、改装業務等を行う出版流通サービスをスタートされたのは2005年です。出版社にとってコストに直結する書籍の在庫コントロールは、重要な課題です。有限会社朋栄ロジスティック様は、近郊の倉庫会社と連携してコストダウ ンを図るなど、様々なサービスを通じて出版社のビジネスを強固にサポートされています。
  しかし、市場の変化により従来型の出版流通サービスでは、解決できないこともあります。そこで、有限会社朋栄ロジスティック様は、出版社の新規ビジネスをサポートするデジタルオンデマンド印刷サービスを、2017年2月に開始されました。絶版書籍の復刻や、小部数重版に対応することが可能なサービ スです。本サービスにより総在庫数を20%削減しながらも品切れ在庫を解消し、売上を15%向上させることが可能になるため、出版社の業態変革に貢献するサービスとして注目されています。

サービスインに向けた準備

  デジタルオンデマンド印刷で、世の中から価値ある素晴らしい本の絶版をなくし、出版社や社会に貢献したいと考えられていた鴫原代表取締役は、デジタルオンデマンド印刷サービスの起ち上げを検討されていました。
  「創業から10年以上、出版流通倉庫業務を行ってきた当社には、オンデマンドプリンターや、製本機を設置するスペースはありませんでした。また、オンデマンド印刷に関連する機械のことも、印刷の知識もない状況でした。ある時、オンデマンド印刷サービスを提供されている複数企業の現場を見学させていただく機会がありました。その時に、印刷知識のない私たちだからこそ不良を出さないスキルレスなシステムを構築する必要性を感じました。その後、プリンターメーカーのショールームで、ワー クフローを含めたシステム全体のデモ ンストレーションを見学させていただき オンデマンドプリンターと、製本機が 連携したスキルレスなシステムが実現 できることを目にしました。この時に、 デジタルオンデマンド印刷サービスの起ち上げが、現実的なものとして捉えることが出来ました。また、ホリゾンの製本機は、デジタルオンデマンド印刷サービスを行う多くの企業で使用されている実績があることも理解出来て、導入に対する安心感が高まりました。」と、当時を振りかえられます。

手探りではじめたオペレーション

  デジタルオンデマンド印刷サービス開始までの準備期間は、約1年半でした。システムの納品が完了したのは、2016年11月です。サービス開始までは、残り3ヶ月しかありませんでした。新規サー ビスの起ち上げに向けて、この短期間にどのような準備をされたのでしょうか。「常備紙となる候補用紙の検証を繰り返し行いました。本文、表紙以外にも扉、カバー、帯、見返しも必要です。それぞれに使用する用紙も異なります。はじめての機械のオペレーションの中でも、アナログ要素の高い後加工機のオペレーションは、手探りの状態でした。マニュアルを読んだり、サポートに電話をしたりして知識を身に付けました。機械を触っていくうちに、感覚的にどうすればよいかは分かってきましたが、紙折機については、用紙の条件が変わるたびに捌きの位置や、風量の調整など、どの項目をどれくらいの値からつめていけばよいのかわかりませんでした。製本機は、わずかな設定変更で仕上がり品質が左右されます。0.1mm 単位で設定できるホリゾンの製本機の精密性には驚きました。」

オペレーションミスを防ぐ 作業指示書

  印刷用データは、生産制御・工程管理を行うソフトウェアサーバーで、自動面付が行われて、表紙用と本身用のプリンターに自動で振り分けられます。印刷物と同時に印刷される作業指示書は、印刷物とセットで次の工程に向かいます。作業指示書には、製本機BQ-270Vや、油圧断裁機APC-480に必要な加工情報が含まれ、バーコードを読み込むと設定情報が各機器にセットされます。この仕組みを支えているのが、ホリゾンの製本ワークフローシステム「pXnet」です。生産制御・工程管理を行うソフトウェアサーバーと連携して加工情報を、pXnetに取り込み、製本機に装着されているバーコードリーダーからの読み出しに対応します。
  「pXnetの運用で、スキルレスなシステムが実現しました。専門知識や、経験の浅い当社にとって、バーコードで設定作業が行えるのはメリットです。」折丁毎には、バーコードが印刷されており、四六判半裁クロス折機AFC-566FKTで折られた折丁は、プレスス タッカーPSX-56に装着したトラッキングシステムで、折丁毎のバーコードを読み、落丁・乱丁の検査を行います。ホリゾンのサポートについてお話をうかがいました。 検証期間は、非常に沢山の質問をさせていただきました。メンテナンスのサイクル、グリースの量など、ある程度機械を稼働させなければわからないこともあります。そのような時も、担当営業の阪口さんや、サービスの方にすぐに対応していただきました。」

デジタルオンデマンド 印刷サービスの展望

  「出版業界は、業務内容が分散しており、当社は、出版社様の流通部門を担う意識を持ってお仕事をさせていただいています。オンデマンド出版事業は、出版社様にとって当社以上に大きな位 置付けですが、まだ手を付けられていない出版社様が多いのが現実です。電子書籍とオンデマンド印刷のハイブリッド運用は、今後益々高まると認識しています。これからも出版社様のプラスになるサービスを提供し、出版業界に貢献したいと考えています。」と、鴫原代表取締役は仰います。今後も、有限会社朋栄ロジスティック様のデジタルオンデマンド印刷サービス事業のお力になれるように努力をさせていただきます。