導入事例


株式会社アガルート

  • 導入製品
    ・除電式紙揃機 PJ-200 ・紙揃機 PJ-100 ・自動無線綴機 BQ-270V(2台)・油圧断裁機 APC-480(2台)

ミニマムスタートで最大の効果を生み出した生産設備

 株式会社アガルート様は、国家試験、検定試験等のオンライン予備校「アガルートアカデミー」を運営されています。見やすくわかりやすいと受験生から支持を集めているフルカラーテキストがどのような設備やオペレーションで生産されているのかお話を伺いました。

法律と教育を軸にテクノロジーを掛け合わせる

 株式会社アガルート様は、2013年12月に資格試験予備校として設立されました。オンライン予備校「アガルートアカデミー」の名前を聞いたことがあるという方は、多いのではないでしょうか。フルカラーテキストなど工夫を凝らした試験合格のための講座体系で受講者の学習継続率は90%を超え、2020年の司法予備試験最終合格率は、全国 平均の4.9倍という高い実績を誇ります。
  アガルート(AGAROOT)という社名には、キャリア・実力・モチベーションが上がる道(ルート)になり、出発点・原点(ROOT)になるという思いが込められています。法律と教育を軸にテクノロジーを掛け合わせて、数多くのイノベーションを下支えし、社会的なインフラとなることを信念とされている同社の強い思いが実績に表れています。

差別化を図るために必要な フルカラーテキスト

 見やすくわかりやすいと受験生から支持を集めているフルカラーテキストの提供サービスは、2015年1月にはじまりました。500種類を超えるテキストや、講座内容の改訂に対応するために、二台のカラーオンデマンドプリンターを導入されました。受講申し込みをされた受講 者のモチベーションが高いうちにテキストを届けるためにもオンデマンドプリンターが必須です。設置スペースの問題から後加工は、協力会社に外注されていましたが、事業の急成長に伴い2015年4月に、現在の本社に移転するタイミングでホリゾンの後加工機をご導入いただきました。新規ビジネスのミニマムスタートには、カラーオンデマンドプリンターと、現在ご利用いただいているホリゾンの後加工機が必要だったのです。

実機を見て、これなら使えそうと思いました

 テキストの制作は、すべて社内で行われてきましたが、印刷、製本は、同社にとってはじめての取り組みで最初はわからないことばかりだったそうです。後加工機の導入検討時にホリゾン・ジャパン東京支社のショールームをご案内させていただいた時のことを、制作本部研究室の山崎様に振り返っていただきました。
 「素人には想像力を埋めていく作業が必要になります。例えば、断裁機の油圧式と電動式の違いに品質の違いがあるのだろうかというような疑問です。複数の社員や、パートがオペレーションを行う可能性があるので、特に安全に関しては、注意を払う必要があります。当時は、何が危険かも想像がつかない状況でした。しかし、ホリゾンの機械を実際に見ることで、操作が簡単で安全に配慮がされていることを理解することができました。また、様々な質問に回答をいただいてこれなら皆が使えそうと思いました。」ショールーム見学後、すぐに油圧断裁機APC-480と、無線綴じ機BQ-270V、紙揃機PJ-100を導入していただきました。
 事業はさらに成長を続け、2018年12月には印刷、製本、物流を統合するために神奈川県座間市に、座間物流センターが開設しました。受講者の増加に対応するためにカラーオンデマンドプリンターは三台に増設されました。

在庫を最小に運用するポイント

 500種類を超えるテキストのページ数は様々です。例えば、十年分の内容を含む過去問題集の場合、最大800ページにもなります。極小ロットから1,000冊を超えるロットまで最新で間違いのない情報を受講者に届けるために制作作業は、ギリギリまで行われています。物流センターのスタッフ全員が、カラーオンデマンドプリンターと、後加工機、発送業務のすべての業務を行うことができるためテキストの在庫は、一週間分で運用することが可能です。
 ホリゾン製品の感想について山崎様に伺いました。「とにかく丈夫ですね。今まで七年間大きなトラブルはありません。機械の構造を見ていると、仕組みがシンプルによく考えられて設計されていることが理解できます。機械を使い始めてからも私たちが気が付かないようなことまで、ホリゾンさんからユーザー視点で、様々なアドバイスをしていただきました。」

急成長に対応するための課題

 同社の成長は、とどまることを知りません。2021年3月には、座間物流センターと同様の生産性を誇る千葉物流センターが開設されました。受講者の急激な増加でニーズも多様です。テキストの一部をPDFで提供されるなどデジタルシフトも進められています。今後のテキストの展開について山崎様に伺いました。
 「お客さまのニーズにお応えできるようにデジタルブックにも取り組んでいますが、紙とデジタルは共存です。印刷サービスを行えるのは当社の強みですから印刷をやめるつもりはありません。法律の資格は、非常に多くの情報を学習する必要があるので、紙のほうが学習しやすいのではないかと思います。」 今年に入り、自動化や生産性の向上など生産フローの課題が見えてきたそうです。ミニマムスタートで始めた生産 設備で最大の効果を生み出して、現在の事業規模に最適な新たな生産フローを検討する段階に入られたということだと思います。
  ホリゾン本社びわこ工場内にあるHorizon Innovation Parkでは、バーコードマッチングシステムや、ロボットシステムなど生産性向上のためのシステム検証を行うことができます。次回は、Horizon Innovation Parkにご来社いただいて、株式会社アガルート様のビジネス拡大にあわせたご提案をさせていただきます。