導入事例


株式会社TOP印刷

  • 導入製品
    ・紙折機AFC-564AKT・丁合機SAC-300・SAC-750・SAC-900・中綴じ折製本システム SPF-200Aライン・ペラ丁合鞍掛け中綴じ製本システム StitchLiner6000(2018/11納入)・無線綴機BQ-470・無線綴機BQ-480 ・無線綴機SB-07・三方断裁機HT-80・ミシン機VP-66など多数

モノクロが大好きだっ!

 株式会社TOP印刷様は大阪にある本社工場と埼玉工場の二か所を生産拠点として頁物、書籍、冊子などモノクロ印刷の専門会社として事業を拡大されています。創業者でもある小幡社長が、和歌山市内の印刷会社で印刷、製本の現場オペレーターとして修行された後、平成3年(1991年)に独立し奥様と二人だけで大阪狭山市のガレージで事業を開始されました。その5年後には仕事も順調に伸び、人員も増えたことから二度の移転をされました。その後、平成28年(2016年)4月に富田林市にある現本社工場を建設され現在に至っています。また2017年12月には埼玉県内の印刷会社を買収され、既存の東京営業所の展開も含め、東西の大都市でのさらなる飛躍に挑戦されています。

モノクロ印刷で28年

 奥様と二人だけのガレージで始めた印刷業は、中古のハマダ両面印刷機1台からのスタートでした。今では一階に軽オフ10台(両面印刷機8台、片面印刷機2台)が整然と並び、明らかにモノクロ印刷に徹した工場風景が見受けられます。
 同社が独立されて間もなく、印刷業界では技術革新が進み、Macintoshの普及、CTPへの切り替え、4色オフセット印刷機を導入する企業が全国で広がり“印刷業界の設備トレンドはカラー化”と叫ばれる時代に突入しました。そのような中でも同社が、モノクロ印刷に徹してこられた理由は「4色機は設備費用に足をとられるし、オペレーターの高度な技術も要求される。カラー印刷機の導入が進めば、やがて価格競争に巻き込まれる心配があった」と社長のお言葉。社長の懸念は的中し、今では、カラー印刷価格の下落が続いています。その一方で、「モノクロ印刷の価格は、資材の価格上昇はあっても工賃は下がらず、他社がカラー印刷機に乗り換えたから、ライバルも減った。自社の設備増強と営業力の強化で、よりモノクロの仕事を増加させることができた」とおっしゃる社長の先を見通す能力には、驚かされるばかりです。

モノクロ特化の設備投資

 カラー印刷機には一切興味を示されなかった小幡社長ですが、モノクロに特化するために必要な設備投資に関しては積極的です。オンデマンドではモノクロ1台、カラー2台のシステムを設置しており、極小ロットの仕事だけに利用されています。「モノクロ印刷に求められるのは、短納期とスピードだ」と同社はDTPから製版、印刷、製本の一環システムにより、翌日には全国発送できる体制を構築されています。埼玉工場開設時にも『製本設備が揃わなくては始められない』と納期の掛かった弊社の機器も社長の強い熱意を受け、何とか全て間に合わせることができました。

社員のための環境作り

 3度目の移転で現在の広い工場に移られたのは“手狭になった”だけが理由ではなく『社員が気持ち良く働ける環境を作りたい』という強い思いが原動力でした。また受注先の関西では70%、東京では50%が同業者ということもあり、『広く綺麗な工場を見学していただき、安心して仕事を任せていただける環境を作りたい』との思いもあったようです。また業績を伸ばしていく最大の決め手は『営業力』と社長はおっしゃいます。「良い設備を導入すれば仕事が入る時代ではなく、良い人材がいても“営業力”がなければ印刷通販などには勝てない」との強い信念から現場を知り尽くした社員を営業に配属しました。現場の社員も営業とのコミュニケーションが取れるよう月一回の全体ミーティング、個別に相談事などを聞く機会を設けられ、仕事でもプライベートでも何でも相談できる関係性を構築されています。また人手が足りなくなった時には社員が友達、知り合いを紹介し重要な戦力となっていることからも同社の体質の良さがうかがえます。

ホリゾンへの要望

 弊社とのお付き合いは25年前に手締め断裁機PC-64を導入いただいたことが始まりです。その後、丁合機、無線綴機、中綴じライン、折機と次々と導入していただき、新機種が出る度に増設、更新を重ねていただいています。製本機器のほとんどをホリゾンで固めておられる理由について社長に伺うと「モノクロ特化という仕事に合致しているところと、熟練工でない若いオペレーターがホリゾンの自動機にすぐに馴染み使いこなしてくれるところを評価している」とのお言葉をいただきました。
 『会社に入りたい』と宣言されていたご令息が他社で2 年間サラリーマンを経験した後、5年前に入社されました。印刷・製本の現場を1年間経験され、現在は東京の営業所で活躍されてます。仕事に励むご令息の姿が、さらなる事業拡張の原動力になっているのだそうです。
 後継者も決まり、2年後の30周年には九州にも進出したいと意欲を持っておられるTOP印刷様の益々のご発展をお祈り申し上げます。