導入事例


株式会社 研文社 尼崎工場

  • 導入製品
    【尼崎工場】
    ・高速無線綴じライン CABS6000 ・紙折機 AFC-746F+PST-40 ・丁合機 HAC-60 ・三方断裁機 HT-70
    【東京工場 】
    ・鞍掛け中綴じ製本システム StitchLiner5500 ・紙折機 PF-40L

極小ロットのバリアブル冊子を迅速に提供

 株式会社研文社様は昭和21年に大阪市で創業。昭和35年には株式会社東京研文社を設立。平成21年に埼玉県にオフセット輪転工場を設立、平成24年に大阪市にあった大阪工場を現在の尼崎市に新築移転されました。昨年は創業70周年を迎えられ、株式会社研文社と株式会社東京研文社を合併統合し、新たに新生「株式会社研文社」としてスタートされました。現在は、受注から納入まで自社一貫生産を軸に多様な印刷物に対応されています。

デジタル印刷に対応できる無線綴じラインの導入

 同社とは、平成8年に、丁合機HAC-60、製本機BQ-440、三方断裁機HT-70を導入していただいてから、21年のお付き合いになります。平成24年に尼崎工場に移転される際、西日本ではいち早くロール紙対応のデジタル印刷機を導入され、今までの製本物と、デジタルバリアブル製本物の両方に対応可能な弊社の無線綴じ製本ラインCABS6000を導入していただきました。CABS6000には、バリアブル製本用に、各種検知ソフトをカスタマイズ対応し、搭載していただきました。
 また、最初は丁合、製本、仕上げ断裁と工程が分かれていた仕事も、現在は一元化で生産体制を構築され、外注に出ていた製本物も自社に取り込んでおられます。無線綴じだけでなく、同社はデータ印字後の封入封緘や紙折機上でナンバーリングする等、独自の技術を開発され、デザインやプレス工程での独自性だけでなく、ポストプレスにおいても他社にない独自性を構築されていることに感心いたします。
 現在、デジタル対応印刷機はスクリーン製Truepress Jetを2ライン、富士ゼロックス製Color 1000 Pressが稼働中。オフセット印刷機は小森コーポレーション製LITHRONE G40菊全8色機、LITHRONE S29菊半8色機(いずれもH-UV機)が尼崎工場で稼働中です。

移転を契機に新たなビジネスモデルに挑戦

 同社は尼崎工場への移転を契機に、プリントオンデマンドを主体とした独自性、将来性のあるWeb to Print システムの構築を目標に掲げ、これまで困難であった多品種かつ極小ロットのバリアブル冊子の生産体制の確立を目指しておられます。営業と校正をなくすビジネスモデル作り、今後増加するであろうクライアントの要望(1冊からの注文)、それらに応えるべく事業化をはかり、金融業、出版業、自動車製造業へ新たなPODビジネスで販路の拡大を目指し、どこよりも先駆けたビジネスモデルの構築を目指しておられます。

小ロットに対応できるプラットフォームの構築

 出版物のデジタル印刷・製本は伸び悩んでおり、その理由として小ロット・短納期を実現する仕組みがないこと、タイトルごと1,000部以下の出版はビジネスとして成立しにくいことが挙げられます。形ある出版物を、必要な時にすぐ手に入れたいという多くのエンドユーザーの声になかなか応えることができていないのが現状です。
 そのような中、同社は、過去の同様の取り組み事例を検討され、『営業なし、校正なし、事務処理の軽減』を可能にするには、プラットフォームの統一による省力化、効率化が必要だと取り組んでおられます。
 Web to Printの仕組みで顧客とのコミュニケーション、商取引をすることが可能になれば、出版社の望む小ロット出版や、読者の1冊からの注文にも応えることが可能となります。
 また、同社は以前から、1部ごとに少しずつ内容の違うバリアブル冊子の製作を手掛けており、効率的に、かつ間違いがなく提供できる取り組みを行っておられました。小部数(1冊から)の書籍や、バリアブル冊子を求める市場ニーズに応えるために、さらなる設備導入およびシステムのステップアップを計画されています。

ホリゾンに期待すること

 現状では手作業となっている各工程を自動化することで、顧客ニーズの高まりに対応できると考えており、各工程間のリードタイムを無くし、生産性のアップを目指したい。ポストプレスにおいてもMISからJDF連携を視野に入れたシステムのオートメーション化を進める予定。今後も引き続き協力をお願いしたい」と弊社へありがたいお言葉をいただいております。期待に応えられるように努力しなければと身が引き締まる思いです。
 株式会社研文社様の益々のご発展をお祈りいたします。